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FET SD2931-10 が壊れる理由

f0033779_21515213.jpgSD2931-10と言えば、IC7800やFTDX9000シリーズで高IMD特性のFETとしてモトローラーのMRF150に変わるトランジスターと一世を風靡した電界効果トランジスターです。しかし、このFETは安定性が低く高い増幅度のせいか、A級やAB1級クラスの動作で瞬間的な高電圧にさらされると飛んでしまうようです。IC7800やFTDX9000の初期版を購入した人は盛んにファイナルが飛ぶ怪現象に襲われました。保証期間中なら無償で修理可能ですがその期間が過ぎたら自己負担なので、爆弾を抱えているようなものです? FETが破壊される原因はたくさんあると思いますが、このFETを短期間に25本以上飛ばした経験者として一言コメントをいれたいと思います。

原因①ドレイン電圧
過去の経験では、広帯域アンプとしてNFをかけずにドレイン電圧を50v程度かけてIdqを250mA以上流すと、ほとんど間違なく発振します。そして、NFをかけると安定しますが、それでも何かの拍子に発振してしまいます。発振だけならいいのですがほとんどの場合"ピカ"と光って昇天してしまいます。ドレイン電圧は45V以下を推奨します。また、基板は両面でアース側はこまめに穴あきで高周波の回り込み対策が必要です。

原因②A級動作
A級動作では、かなり高いバイアス電圧をかけることになります。SD2931-10にもバラツキがありますから、一概には言えませんが、電圧が2.5V~3Vに近づくとIdqが500mAから1A流れます。このあたりでA級動作と言うことになるのでしょうが、もともとC級動作のプラズマ電源用の石なのでA級動作用させると熱が相当発生し、十分な放熱対策を取っていないと暴走気味になります。FETが熱暴走しないと言ったOMがおられますが、FETも暴走します。ためしに実験すればわかります。それを、サーミスターやダイオードを使用して熱補償する(バイアス電圧を低下させIdqを下げる)わけですがこれが何かの拍子でうまくいかないと発振しやすくなります。そして閾値を超えるとカナラズ発振しファイナルを破壊してしまいます。多くのOMさんも手を焼いているようです。特に八重洲系の無線機で保証期間後はA級動作はさせないようしましょう。(追記)最近は暴走対策を行い、また、改良TRが出ているようです。

原因③MRF150とは異質のFET
どうもリニアの回路や配線パターンを見るとMRF150の互換FETのように、SD2931-10が言われていますが、これは異質の石です。私はモトローラー製のMRF150を飛ばしたことがありません。たとえばSD2931-10でぶっ飛んだリニアアンプ基板にMRF150を差し変えて働かしても過去ぶっ飛んだことがありません。ほんとに、モトローラーのMRF150は強ーーい石のようです。それとも、そもそもSD2931は、SSB向けに開発された石なのでしょうか?MRIとかCTスキャン向けの石ってことですよね。
f0033779_2158744.jpg原因④東京ハイパワーも使わない。(今は、亡き東京ハイパワーですが・・・)
SD2933というFETがありますが、30MHzくらいまで快適にパワーの出せる石です。もちろん50Mhzでも200W程度はでます。この石は非常に安定していると思います。だから、THPでも多くのリニアアンプに使用されています。しかし、SD2931は採用されません。なぜならば飛びやすいからだと思います。同じく、MRF150が2個入ったジェミニトランジスターのMRF151Gは採用されてもSD2932は採用されません。なぜか、使ってみたらわかります。飛びやすいのです。私はSD2932を8本飛ばしました。MRF151Gは過去1本しか飛ばしたことがありません。(追記)感度が悪いから飛ばないといわれるOMもおられますが、30db以上増幅度をとれる最近のLOMOS-FETでは発振しにくく飛びません。

原因⑤腕前が低い<要は、へたくそ!>
もしかしたら、これが本当の答えかもしれません。SD2931-10が破壊される理由は、製作者の回路や基板作成の完成度、腕前が低いためだという事です。確かに、MRF150とは勝手が違います。私の腕前は素人ですから低いとして、立派なメーカーの開発者の腕前も低いのでしょうか? 多分低いのでしょう。笑 多くの技術を持った団塊世代がいなくなって職人技がなくなったのでしょうか? TEST回路のスペックを鵜呑みにして設計しているだけで、自分で使ったことがない人が設計しているような気がします。Computer Cirkit Simulation かなにかではうまくいくんでしょうが、生身の高周波はそうはいかないようです。
フラッグシップを購入するOM殿、くれぐれもファイナルのSD2931-10にはご注意ください。(最新のIC7851やFT9000では大丈夫でしょうか?)

de JA1BOP / Roy
Commented by JP1LMD at 2007-03-23 07:35 x
SD2931 を使用している リグのトラブル...多いですね。
Commented by JA1BOP at 2007-03-24 00:34 x
そうなんです。これだけ飛ぶ石は珍しい。初期不良と言うよりも、石に手を焼いている感じです。
Commented by JA1BSY at 2007-03-25 00:21 x
SD2933x2です。確かにTHPの保護回路は厳しく、遊べませんが、その分、安心して200W出せる保証をつけているんだと思います。
Commented by ja1bop at 2007-03-25 10:01 x
THPのHL206Vは、たしかSD1477X2だったと思いますが、いかがでしょうか?
Commented by JA1BSY at 2007-03-25 13:18 x
SD1477 x2の間違いでした。
http://www.thp.co.jp/amateur/206vc.htm
これを見るともうちょっと出るようですが、また改めてチェックしてみます。
Commented by JA0FSN at 2007-05-15 09:25 x
今SD2932を使って200WのHF帯リニアに挑戦しています。が、既に
2本飛ばしてしまいました。Idq=0mA,Vdd=48Vで出力を調整しているとスタンバイ状態で例の閃光とバチッと言う音と共に昇天してます。
あと1本残ってますが、今度はVddを40~44V位に落としてやって見ます。何とも使い難い石ですね。
Commented by ja1bop at 2007-05-15 12:53
初めましてFSNさん。こんにちは。SD2932を随分飛ばされましたね。さて、HFリニアですが、飛んだ原因は多分発振だと思います。最後の一本の前に質問です。NF回路はどのような構成になっていますか?入力と出力の回路はどのようになっていますか?出力インピーダンスの変換比率と素材は何ですか?質問が多くてすいません。テストは、30Vくらいから始められた方がよいと思います。軽い発振の段階では電流が流れるだけで飛びません。是非、お試しあれ。
de JA1BOP/Roy
Commented by ja0fsn at 2007-05-15 17:53 x
BOPさんアドバイスありがとうございます。素人なものですから的確にご質問に答えられか....。基本的に全体回路はBOPさんのものを参考にしてます。NFは0.1μFと680Ωでドレイン,ゲートをつないでNFを掛けてます。入力は巻線比1:3、出力は同じく1:2のトランスです。入力には10dBのアッテネータを付加,FET側には5.6Ωを接続して一応インピーダンスを合わせた格好にしてあります。出力トランスの巻線は5D2Vの芯線を巻きました。取り合えず実験なので良いか,と言った感じのものです。
今まで飛ばした2本のSD2932はVddを24Vから実験を初めてます。その時点では全く問題はありませんでした。48Vに上げて何回か送信テストを繰り返すと昇天してしまいます。また生きている時にはPo=200W以上出ている事も確認してます。(LPFを通して)長文になってしまいました。アドバイス頂ければ幸いです。これでダメならMRF151Gに変えようかとも思ってます。Hi
Commented by ja1bop at 2007-05-15 21:18
FSNさん今晩は。概要了解いたしました。それでは改良点を少しお話いたします。①NF回路の抵抗を75Ω程度に下げてください。耐圧は5W以上です。HFでは増幅度が相当高すぎますので、抵抗値を下げないとNFが効きません。②出力の巻き線比率ですが、3回に変えてみてください。また、同軸の芯線では溶けてしまい、インピーダンスががたがたになります。耐圧温度の高い線材・テフロン線などを、必ずご使用ください。③出力段のドレインとドレイン間に入れるトリマーコンデンサーは、600P程度必要になります。耐圧500V以上のセラコンかマイカーをご使用ください。④電源は共用にしないでください。または、異なるコンセントからとってください。その際、リニアの電源ラインには顧問モードフィルターかコアで7ターン位まいてください。⑤できれば基盤の写真などいただければ幸いです。ja1bop@jarl.com 最後のSD2932で是非成功させるために、前準備をしっかりおやりになることをお勧めします。応援いたします。
de JA1BOP/ Roy
Commented by JA0FSN at 2007-05-19 21:40 x
JA1BOP/Royさん,こんばんわ。アドバイスに従い改良しました。
が,異常発振が止まりません。Idq=0mA,Vdd=24Vで送信テスト
を行った所,スタンバイ状態でIdq=400mA~500mA流れてしまいます。これってやっぱり異常発振ですよね。Vgs印加用の電源をエキサイタと共用しているのが悪いのでしょうか?まずはこの発振を止めなくては。
de JA0FSN
Commented by ja1bop at 2007-05-19 22:05
JA0FSNさんへ。そうですか、、今の状態は発振ですね。電源の回りこみはあると思います。私の場合、同一電源の場合はほとんど発振していました。現在は電源を分けています。それと、ドレイン側のRFCはどのようにされていますか? もちろん、ゲート側のRFCもどのようにしょりされていますか? 是非、写真をみせてください。
de Ja1Bop/Roy
Commented by ja0fsn at 2007-05-20 12:17 x
先ほどJA1BOP/Royさんにメールで写真を送りました。
腕とデジカメがショボクピンボケですが,アドバイス
よろしくお願いします。基板作りなおした方が良いですかネ?
                     de JA0FSN
Commented by ja1bop at 2007-05-20 23:57
先ほど返信のメッセージを送付しました。ご参考まで。
DE JA1BOP/Roy
by ja1bop | 2007-03-22 21:49 | Amplifiers | Comments(13)

50Mhz&7Mhzが好きなアマチュア無線家のブログです。


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