アンテナの拡張で並列のスタックにする際にお世話になるのがQマッチ整合です。今回はそのお話しをいたします。既製品のアンテナの給電点は通常50Ωなのでスタックにするには75Ωの同軸を使ったQマッチ₍短縮率*1/4波長の奇数倍)で100Ωまで変換。それを2合成して50Ωにするというのが一般的です。私もすでに新タワーにCL6DXXを2本上げるべくRG11/Uを使って作成。ところがです。この方法でのQマッチではVSWR1.05以下のバンド幅が1MHzと狭くしかもクリチカルに反応します。そこで、帯域が広いという50Ωを2合成して25Ω。これを50Ωに変換するQマッチを作成してみました。これを実現するためにはインピーダンス35Ωの伝送系が必要となります。変なインピーダンスなので、既製品んの同軸はありません。銅管とアルミパイプを組み合わせて作成された方を見たことがあります。今回は75Ωの同RG11/uを二本並列につなぎ正確には37.5Ωとなりますが、これで代用しようと思います。部品は、N型メスコネクター3個, 30mmX15mmX110cmの角パイプ1本、RG11/Uが95mmx2です。それとネジくらいでようか。
角アルミパイプこんな感じで穴をあけていきました。RG11/Uは95mmを二本束ねてインピーダンスが半分になるように並列に接続しておきます。
これが50Ωの合成後に1本の任意の長さの50Ω同軸につなぐ部分です。
こちらが、任意の50Ω同軸から2回路を受ける部分です。つまり、50Ωと50Ωの並列接合で25Ωになります。35ΩのQマッチを経由して50Ωに変換されて反対側に出力されます。もちろん逆も真なりで、50Ωを入れれば反対側に25Ωが分布定数回路によって変換されるわけです。簡単ですね。
全景はこのように50MHzの場合は101cmくらいの長さになります。(写真の110cmは誤り)
これにダミー抵抗をつけて今は亡きKURANISHIのBR200でマッチング度合を調べてみました。
47Mhz~54MHzくらいまでVSWR1.1以下とかなりブローで使いやすい。430MHz以上の高い周波数でよく使われているのでこの帯域をみると、なるほどと唸りたくなります。折角75ΩのQマッチは作りましたがスタックにはこのマッチングを使用しようと思います。 de Roy